『新世界より』貴志祐介 SFファンタジー小説の傑作

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感想 ★★★★★

千年後の日本を舞台にしたSF作品。SFと言っても、科学技術満載のハードSFやサイバーパンクではなくファンタジーより。

難しい科学用語も出てこないので、誰でもすんなり物語の世界に入って行けます。

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あらすじ

千年後、人類は「呪力」と呼ばれる超能力を手にしていた。その力を使い、人類はバケネズミという生物を支配して平和に暮らしていた。

豊かな自然に囲まれた集落、神栖66町で生まれた主人公の渡辺早季は、気の合う友人たちに囲まれ、何不自由なく生活していた。

だがある日、町の外で人類の歴史を知るミノシロモドキと出会ったことで、彼らの運命は大きく変わる。人類の歴史は知ってはならない禁忌だったのである。

成長するにつれ早季は様々なことを経験する。そして、人類の存亡をかけた戦いへと巻き込まれていくのだった。

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感想

千ページを超える大作ですが、長さはまったく感じませんでした。時間を忘れて没入でき、読み終わるのが勿体ないと感じるほど。

これだけスケールの大きな話を生みだした作者の想像力に尊敬の念を抱く。

架空の話でありながら、細かいところまでちゃんと設定されていて、実際にこの世界に住んでいるような気分になりました。

物語は登場人物たちが12歳の時から始まります。そして14歳、26歳と各年代の話が描かれ、共に成長して来たような気分になります。

登場人物たちへの思い入れも深くなりますね。

要所要所で大きな転換点があって、途中でダレるなんてこともありません。ストーリーに深みもあり、読み終わった後いろいろ考えさせられます。

ラストの戦争シーンも読み応え抜群。こういう戦術を駆使した集団同士の戦いは、読んでいて興奮を覚えますね。

エンタメ小説としての面白さを追求しつつ、人間とは何なのかという永遠のテーマに挑んだ超大作。読んで良かったと思える作品でした。

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