衝撃のトリック!『占星術殺人事件』島田荘司 あらすじと感想 

感想 ★★★★★

ミステリ小説好きなら必ず読んでいる有名な作品。知名度も高ければ作品の質も高い、島田荘司のデビュー作です。間違いなく日本のミステリー史に残る名作。

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あらすじと展開

占星術師の御手洗潔とイラストレータの石岡和己が、四十年前に起きた未解決事件に挑みます。その事件というのが、これまた猟奇的で陰惨極まるもの。

画家とその娘七人が殺された事件で、画家は雪に閉ざされた密室で不可解な死を遂げ、七人の娘の内、六人は躰の一部を切り取られていました。しかも、日本各地に遺棄されるという、なんとも奇妙奇天烈なもの。

この事件は大々的に報道され日本中で有名となりました。そのため四十年の間に様々な推理が展開されるも、結局今日まで解決には至っていない。その謎に御手洗と石岡が挑みます。

物語の前半は御手洗と石岡が事件の概要を追います。御手洗は石岡から話を聞いただけで解決を試みますが、上手くいかず。そして物語の後半部分では、自分たちの脚で聞き込みを行い、解決へ向けて奔走します。

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トリックが凄い

本格ミステリにおいてトリックは何よりも重要です。一度読んでも、時間が経つとどんなトリックだったか忘れてしまうことがままあるけれど、この作品のメイントリックに関しては、絶対に忘れない自信があります。

そう言いきれるほど奇抜で秀逸なトリック。おそらく世界にも類例はないです。

このトリックを思い付いたことに敬意を表したいですね。確かに難癖をつけようと思えばつけられますが、それは野暮というもの。このトリックを創造し、物語にまで仕立て上げた作者の手腕を、素直に褒めるべきでしょう。

事件の舞台を四十年目に設定したのも見事だし、御手洗潔のキャラクターも独特で魅力的。冗長だと感じる部分がないではないけど、トータル的にみて非常によくできた作品。未読の方には是非読んで頂きたい。おすすめです。

ただ残念なことに、このトリックは某有名漫画にパクられているんですよね・・・。だからもしかすると、そちらで先に知っている人もいるかもしれません。非常に罪深い行為だと思いますよ、本当に・・・。

似てるとかじゃなく丸パクリですからね。もし今みたいにネットが普及していたら、とんでもない騒ぎになっていたでしょうね。

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