このどんでん返しが凄い! おすすめ小説20選

mystery

ミステリの醍醐味といえば、最後に訪れるどんでん返しですよね。
そこで今回は今まで見ていた景色が一変するような、どんでん返しが待っている小説を20作集めてみました。
この手の作品はネタバレされている可能性も高いので、あまり調べずに読んじゃった方がいいと思います。amazonのレビュー蘭でも平気でネタバレしている人がいますからね。ネタバレにはくれぐれもご注意下さい。
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『十角館の殺人』 綾辻行人

もう言わずと知れた名作ですね。僕がミステリに嵌まったきっかけでもあります。閉ざされた孤島で巻き起こる連続殺人。はたして犯人は誰だ、というオーソドックスな犯人当てミステリです。まだ読んでいない方は必読の一冊。
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『どんどん橋落ちた』 綾辻行人

こちらも綾辻行人の作品。綾辻作品はどんでん返しが多いので、挙げていたらきりがない。そこで『十角館の殺人』だけにしようと思ったのですが、『どんどん橋』はちょっと特殊ゆえ、紹介したくなりました。
ミステリ小説を読んでみたいけれど、『十角館』は長いと感じる方は、本作から読んでみてはいかがでしょう。短編集なので読みやすいと思います。
バカミス的なところがあるし、サザエさんのパロディ作なんかもあって、非常にネタが豊富。もちろん、どんでん返しの面白さも存分に味わえます。

『七回死んだ男』 西澤保彦

主人公は同じ一日を何回も繰り返す特異体質。祖父が殺された日からループが始まり、何とかして殺害を食い止めようとするものの、結局失敗に終わる。はたして誰は犯人なのか、歴史改変は可能なのか。
ループもので本格ミステリというのが、まず面白い。こんな作品にはなかなかお目にかかれないので、ミステリ好き、ループもの好きの人は絶対読むべき。
ミステリとSFが混ざったようなものなので、設定を理解するのが大変かと思いきや、すんなり理解できます。語り口も軽妙で読みやすい。ユーモアミステリとか好きな人にもおすすめ。

『神のロジック、人のマジック』 西澤保彦

世の中から隔絶された謎の学校で生活する子供たち。そこでは奇妙な犯人当てクイズをさせられている。ここはいったいどこなんだろう、何のためにこんなことをしているんだろう。
子供たちは疑問に思いつつも、平和に過ごしていた。そんなある日、新入生がやって来たことにより、物語は一気に動き出す。
作品の出来に対して知名度が低すぎると常々感じています。トリックのネタが某有名作品と被ってはいますが、僕はこちらの方が断然好き。世界観がとても好みです。
こういう設定で大ヒットした小説や漫画があるのに、なぜ出版社はもっと積極的に売り出さないのでしょう。本当に疑問。この設定には需要があると思うのだ。
緻密に練り上げられたダークファンタジーのストーリーは面白いし、どんでん返しの衝撃度も大きい。需要がある設定で、内容はオリジナリティに満ちているため、非常にもったいない。唯一の難点は手に入り難いことですね。

『首無しの如き祟るもの』 三津田信三

首無し殺人はミステリーではお馴染みの方法。そういう作品が好きなら、是非とも読んでいただきたい。トリックもさることながら、僕はこの作品の雰囲気、世界観が大好きです。

物語の舞台は昭和初期、田舎の因習が事件に絡んできます。この作品はシリーズ内の一作で、刀城言耶シリーズと呼ばれています。

どの作品もどんでん返しの連続なので、気に入った方はシリーズを追うことをおすすめします。

『殺戮にいたる病』 我孫子武丸

猟奇殺人を繰り広げるサイコキラーの話で、犯人視点で話が進んでいきます。どんでん返しの衝撃度でいうとこれが一番かもしれません。
僕は思わずうめき声を漏らすほどの衝撃を受けました。ただ、かなりグロいので、読む際にはご注意を。

『神様ゲーム』 麻耶雄嵩

登場人物は探偵団を結成している小学生。そのアジトで密室殺人事件が発生します。この小説の特異な点は神様が登場すること。本当に神様という設定で、この神様が言うことは絶対に正しい。
だけどこの神様、とても真実と思えないような発言をします。この特殊設定によって、一風変わったミステリ作品に仕上がっています。ラストは少し混乱を来すようなどんでん返し。

『密室・殺人』 小林泰三

タイトルが示す通り、雪で閉ざされた密室殺人がテーマ。クローズドサークルでの連続殺人ではなく、冒頭で起きた事件を探偵が調査して、1つ1つ謎を紐解いていきます。

解決編での意外性には驚かされましたね。関西弁の語り手にはユーモアがあり、ちょっとホラー要素もあって僕は好きです。

『盤上の敵』 北村薫

主人公が留守の間に、家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、妻が人質にされます。テレビ中継もされ、劇場型事件の様相を呈する中、主人公は密かに犯人と交渉し、妻の救出を目論む。
まず設定がとても魅力的。物語もテンポよく進み読む手が止まりません。結末に意外性もあります。もしハリウッドで映画化とかされたら、大ヒットするでしょうね。エンタメ感満載で純粋に面白い。

『噂』 荻原浩

とある会社が自社製品の香水を流行らせるために、都市伝説をでっち上げる。販売戦略通りに香水がヒットし喜んでいると、実際に都市伝説をなぞったような事件が起きてしまう。
噂はでっち上げなのにどうして・・・誰が、いったいなんのために・・・という話。サスペンス小説として完成度が高く楽しめます。とはいえ、それだけだと良作どまり。
この作品には仕掛けがあって、それによってとても印象深い作品になっています。意味が分かると怖い系の話がネットで人気ですが、本作がやっているのはそれに近い。
ミステリ小説でこういう手法は意外と珍しい気がします。

『頼子のために』 法月倫太郎

最愛の娘を殺害された父親の手記で話は進んで行きます。そこには、娘を殺した犯人を見つけ出して殺したと描かれており、手記を読んだ警察はそれが本当か捜査します。
この作品は本格ミステリというよりハードボイルド小説に近くて、主人公があちこち動き回って調査するうちに真相がみえてきます。
内容も構成もいいし、最後に驚きも用意されていて楽しめます。ただ後味は良くない。

『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介

小学生の男子児童が主人公。学校を休んだ同級生の家に行ってみると、首を吊っている姿を発見する。慌てて先生を呼んで戻ってみると、死体は消えていた。
勘違いとされ悶々としている主人公のもとに、その死んだはずの同級生の生まれ変わりが現れ、自分は何者かに殺されたから一緒に調査してほしい、と頼まれる。かくして主人公は、妹と共に真相究明へ乗り出すのだった。
かなり賛否のわかれる作品。理由は読んでみればわかります。自分はどう思うか、他の人はどう思うか、その違いを楽しむために読むのも一興かもしれません。
確実にどんでん返しはあるので、その点はご安心を。ただ好き嫌いはあります。ミステリーというより、ダークファンタジーって印象ですね。

『密室殺人ゲーム王手飛車取り』 歌野晶午

ネットでのみ交流している奇妙なニックネームの5人。一人が殺人事件の問題を出題し、残りが推理するゲームを楽しんでいた。
ただのゲームと違うのは、出題者が実際にその犯行をしている点。明らかに異常な彼らに、どのような結末が待ち受けているのか。
内容を見てわかるように、倫理的には問題ありです。なので完全な虚構、一種のパズルとして読む小説。
出題される各問題はとてもユニーク。密室、アリバイ、ミッシングリンクなど、ミステリで使われるトリックが網羅されています。
ミステリ好きは読んで損なし。ただ結末に関しては賛否あります。

『仮面山荘殺人事件』 東野圭吾

山奥の山荘で余暇を楽しんでいたグループの元に、逃走中の強盗犯が侵入し占拠される。捕らえられた彼らは、自力で脱出しようと試みるも、ことごとく失敗。そしてついに殺人事件が起きてしまう。
だが、状況を考えると犯人は強盗たちではありえなかった。混乱に乗じて誰が犯行を行ったのか。殺人の罪を押しつけられたくない強盗犯も一緒になって、犯人捜しに乗り出す。
東野圭吾の初期作品には、トリッキーな仕掛けが施された作品もいくつかあります。この小説も最後で予想外の展開を迎える。僕はトリックよりも真相が分かった後の痛み、苦みの方が印象に残っています。

『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』 早坂吝

タイトルの〇の部分にはある諺が入ります。非常に遊び心の効いたタイトルですが、内容もそんな感じ。良い意味でふざけています。全力でふざけたこの感じ、僕は大好きです。
内容は無人島での殺人事件。バカンスにやって来た一同の間で事件が起きて、探偵がそれを解決します。
探偵役は風俗嬢でエロシーンもあり。でも、ただ奇抜さを狙ってそうしているわけではなく、エロをちゃんとトリックに結びつけています。それゆえ、この著者にしか書けない独自の作品へと昇華しています。
どんでん返しの後、思わず吹き出してしまうかもしれませんね。一風変わったミステリを読みたい人におすすめ。

『星降り山荘の殺人』 倉知淳

雪に閉ざされた山荘で起こる殺人事件。この手のクローズドサークルものだと、陰惨になったり、重い雰囲気になりがちですが、終始ゆるい空気が漂っています。
展開もダラダラしているのですが、それもこの小説の魅力の1つだと思う。キャラもそれぞれ立っているので、読んでいて楽しい。ユーモアミステリが好きな人におすすめ。
どんでん返しには賛否ありますが、僕は素直に驚かされました。

『消失!』 中西智明

ある町で起きた連続殺害事件。不可解なのは死体と犯人の消失。そして、殺されたのが皆赤毛の持ち主ということ。探偵が真相究明に乗り出すのだが、驚愕の真相が待ち受けていた。
かなり奇抜なトリックが使われていて、知る人ぞ知る隠れた名作。共通点を探すミッシングリンクものです。いろんなアイデアが使われているため、本格好きの人は存分に楽しめるはず。
とんでもない真相ながら、理屈が通っていて、破綻なく物語が収束します。バカミスと評されることもありますが、要はそのレベルの大掛かりなどんでん返しがあるということ。
この作品も手には入り難いのが難点。なかなか売ってないと思うので、もし図書館にあれば即予約ですね。

『ロートレック荘事件』 筒井康隆

郊外の洋館で巻き起こる連続殺人事件。本格ミステリの王道の形式を踏襲しつつ、仕掛けられたトリックは奇想天外。実に筒井康隆らしい作品です。
氏はSF分野で斜め上を行く着想で多くの作品を残していますが、ミステリでもやってくれたという感想。驚くと同時に、にやりと笑みが漏れました。
トリックもさることながら、筒井作品なので普通に読んでも面白いです。中編くらいの長さでサクッと読めるので、気になった方は読んでみるのをおすすめします。

『慟哭』 貫井徳郎

どんでん返しの話をしていると、必ずと言っていいほど名前が挙がる作品。幼女誘拐事件と新興宗教の話が交互に語られる構成です。
数あるミステリの中でも、誘拐事件って他と比べて少ないと思うんですよね。だから個人的に誘拐ものは評価が高くなります。さらに本作は警察小説として読むことも出来ます。
どんでん返しでいうと、ミステリを読み慣れた人ならあまり驚かないかも。どんでん返しがあるにしても、それ目当てではなく、事件を通した人間物語として読むのが正解かもしれません。
硬派なミステリが好きな人におすすめ。

『イニシエーションラブ』 乾くるみ

こちらもどんでん返しで有名な作品。映画化もされて知名度はさらに上がりました。今更説明する必要がないほどです。
僕はミステリ初心者の頃に読んだので、最初は混乱してしまいました。すぐに仕掛けを理解できず、解説を読んでようやく、あーそいういうことかと納得したほど。
ミステリ作品ではなく、恋愛小説でこれをやったのも大きいですね。二回読みたくなるという謳い文句に偽りなし。二回目はまったく景色が変わります。
ただ、話としては本当に普通。特別ストーリーが面白いわけではないです。

あとがき

以上、20作をご紹介しました。まだ未読の方がうらやましい! 一緒にミステリライフを楽しみましょう!

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