『これは王国のかぎ』荻原規子 ディズニー映画好きにおすすめの王道ファンタジー 

ramadan

感想 ★★★☆☆

こちらはティーンエイジャー向けに書かれたファンタジー小説。世界的名作の『果てしない物語』や『ナルニア国物語』と同じように、別世界を舞台に少女が大冒険を繰り広げます。

主人公の年齢と同じ15歳くらいの読者を想定していると思います。ひらがな多めなので、それ以下の子供でも問題ないですね。

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あらすじ

15歳の上田ひろみは初めての失恋にショックを受け、この世界から居なくなってしまいたいとまで思った。

そしてなんと、次に目が覚めるとアラビアンナイトの世界にいたのだった。しかも、あろうことかランプの魔神となって。

側に居たのはハールーンという名のイケメンで、彼は自分が呼び出したのだから付き従え、と要求する。

ひろみは戸惑いつつも、この世界でどうしたらいいのか不明なので、とりあえず言われるまま一緒に旅をすることに。

それからひろみは、砂漠の王国に蔓延る陰謀、跡継ぎ問題に巻き込まれる。義侠心に駆られたひろみは、王国を正しい道に進めるべく、魔神の力を利用して大活躍をするのだった。

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感想

アラビアンナイトの世界観で繰り広げられる王道のファンタジー小説。良い意味で子供向け作品です。ディズニーのアニメ映画をイメージしてもらえると分かり易いですかね。

夢とロマン溢れる冒険譚といった感じ。悪役が登場するものの、終始明るい雰囲気で進み、最後もぱっぴーエンドです。

そういう意図で書かれているゆえ、大人のためのファンタジーとはちょっと趣が異なる。もちろん、大人だと読むに堪えないというわけではありません。

ティーン向けと理解した上で読めば楽しめます。

文章はひらがなが多めで、15歳の少女の一人称で書かれています。そのため、地の文でも少女らしい子供っぽさがある。そして登場人物たちは、役割に応じた分かり易い設定。

ストーリー展開は要所要所で起伏があって飽きません。主人公がちゃんと大活躍するので、爽快感があって読んでいて楽しいです。

魅力的な王子、ドタバタを繰り広げる臣下たち、魔法を駆使して陰謀を企てる悪役。冒険譚に必要な役どころは皆登場します。そういう意味でも、とてもディズニー的。

あとがき

本作は小学生でも安心して読ませられる小説ですね。普遍的な物語なので、これからも読み継がれていくでしょう。

出来れば子供のうちに出会いたい物語。作家を目指している人は、王道ファンタジーの教科書として、勉強するつもりで読むのも良いかもしませんね。

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