『リビジョン』 法条遥

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感想 ★☆☆☆☆

後味の悪さが印象的な青春タイムスリップ小説『リライト』は、どうやらシリーズ化されているようで、本作はその第二弾。

前作と登場人物が違いますが、読んでいないと重要なところがさっぱりわからないため、必ず『リライト』を読んでおく必要があります。

途中から、どういうことだこれ? と思う部分がだんだん多くなっていき、結末を見ても今一つ納得できませんでした。

もやもや感が強く、あまり面白いとは思えなかったですね。

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あらすじ

一族の女性に代々受け継がれている手鏡を使って、未来を見ることができる千秋霞は、自分の生まれたばかりの息子ヤスヒコが高熱を出して死ぬ未来を見てしまう。

その未来を避けるために彼女は、本来するべき行動とは別の行動を取り未来を改竄。その結果、次々と予想外の事態が起きる。

そして、それを回避するためにまた新たに過去を改竄していくはめ。すべては息子を救いたい一心だった。

そして最終的に辿り着いたのは、途方もない一族の歴史だった。

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感想

小説を書くにあたって、著者の中ではもちろん確たる設定が出来上がっており、全体像を把握しているでしょう。なので、著者からすれば分かり難さは微塵もないのかもしれません。

でも読者の僕は、読んでいる最中に何度も引っかかって、物語に没入できませんでした。

未来の自分、現在の自分、過去の自分が議論するシーンでは、いったい誰が誰なのか混乱してしまいます。

最初の設定では、手鏡では未来しか見えないはずだったのに、いつの間にか普通に過去が見えているし、そればかりか介入までしている。

それならどうしてこういう設定にしたのか意味がわかりません。

それと文章があまりにも淡泊だったように思います。改行が多くて、もしやページ数を稼ぐためかと邪推しそうになりました。

この著者は驚きを用意するのは得意なようで、最後にちょっとした意外性があります。それはいいのですが、ヤスヒコに関しての結末がどうにも納得いきません。

これだと前作との辻褄があわないように感じます。結局ヤスヒコとは誰で、どの時代にいるのでしょう。これでちゃんと辻褄が合っているのか、正直僕にはよくわからなかったですね。

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