表紙が美しい小説 『アルモニカ・ディアボリカ』皆川博子

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感想 ★★★☆☆

高い評価を受けた前作、『開かせていただき光栄です』の続編。18世紀の英国を舞台にしたミステリ小説で、その時代特有のダークな雰囲気を存分に味わうことができます。本書は前作のネタバレを含むので、必ず前作を読んでから読んで下さい。

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あらすじ

〝ベツレヘムの子よ、よみがえれ! アルモニカ・ディアボリカ〟と書かれた身元不明の死体が発見され、その情報が解剖医ダニエルの弟子たちのもとに舞い込む。

彼らは師匠のためにその死体を手に入れようと動き出す。そして実際に死体を見て驚愕する一同。調査を進めるうちに、とんでもない陰謀が隠されていることを知る。

彼らは何とかして事件の全貌を暴こうとするのだが、様々な要素が複雑に絡み合っており、なかなか上手くいかない。はたして、彼らは無事に事件を解決へと導くことができるのか。

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感想

前作に登場した主要メンバーが今回も引き続き登場しています。前作の事件から5年が経過しており、皆深い悲しみを抱きながらも、それぞれの日常生活を送っている状態。

そんな彼らに舞い込む今回の事件も衝撃的なもので、前作と同様の世界観を楽しむことができます。前作が気に入ったなら本作も気に入るでしょう。

ただ、登場人物が多すぎて事件も複雑なので、ごちゃごちゃしているように感じてしまいます。様々な人物の視点で語られるし、過去の事件も絡んでくるため、それぞれの関係性や時間軸が掴みにくい。その点がマイナスだと思います。

しかし裏を返せば、この複雑怪奇な話を卒なく纏め上げる構成力はさすがの一言。さすが皆川博子御大ですね。最後まで飽きることなく読ませてくれました。

18世紀のイギリスが舞台ということで、歴史小説的な面白さもあります。外国を舞台にした小説を探している人には強くおすすめします。とても魅力的なシリーズです。

前作に続き今作も装丁が美しいですね。小説の雰囲気とあっていて印象的です。本棚に置きたくなるシリーズです。

コメント

  1. 読書ログ より:

    はじめまして。
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