感想 ★★★★★
ミステリ史に燦然と輝く言わずと知れた名作。なんの面識もない十人が孤島に集められ、次々と殺されて行く話。
今ではそういうタイプの作品は山ほどあり、一つのジャンルとなっています。
本作『そして誰もいなくなった』が後世に与えた影響は計り知れないほど大きい。
感想
何十年も前に書かれた作品なので古臭さを感じるかと思いましたが、そんなことはなかったです。
ただし、そこまでの衝撃は受けなかった。なぜなら、近年のミステリブームにより、優れたトリックを使った作品が多々あって、それらを読んでいるからです。
もし、発売された当時にこの作品を読んでいたら、もの凄い衝撃を受けたことでしょう。
登場人物が十人と多いので最初は覚えるのに苦労しました。視点も順番に移動し、しかもそれが頻繁に起きるので、慌ただしい感じがしました(慣れればそれほど気にはならない)。
現代ミステリーをたくさん読んでから本作を読んだので、正直大したことなく感じた。でも、それは仕方のないことだと思う。
本作に影響を受け、より面白い作品を書こうと、多くの作家たちが努力してきたからです。それによって、傑作と呼ばれるクローズドサークルものが多く生まれた。
そういう現代のミステリーシーンを作った偉大な作品ですね。
ミステリ、否、読書好きの人は教養として読んでおくべき作品だと思います。



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