『セリヌンティウスの舟』 石持浅海

感想 ★★☆☆☆

内容(「book」データベースより)
大時化の海の遭難事故によって、信頼の強い絆で結ばれた六人の仲間。そのなかの一人、米村美月が、青酸カリを呷って自殺した。遺された五人は、彼女の自殺に不自然な点を見つけ、美月の死に隠された謎について、推理を始める。お互いを信じること、信じ抜くことを、たったひとつのルールとして―。メロスの友の懊悩を描く、美しき「本格」の論理。

仲間の死を悼むためにマンションに集まった五人。思い出の写真を見ていくうちに、その中の一枚に不審な点を発見する。

そのことをきっかけとして彼女の死が本当に自殺だったのか議論する。

マンションから場面が変わらず、ひたすら推論を重ねるワンシチュエーション作品。場面転換がないので、物語にメリハリをつけ難いタイプですが、本作もちょっとだれていたと思う。

論理的な議論はしているけれど退屈に感じた。途中から、この人達はいったい何をやってるんだろう、という気がしてきました。

死の真相も納得がいかない。

この小説で重要なのはそこだったはずなのに、そんな理由で死んだといわれても共感できません。共感できる人もいるかもしれないけれど、僕には合わなかった。

長い推理合戦を読まされた上での結末がこれだったので、がっかりしてしまいました。

 

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