
感想 ★★☆☆☆
小市民シリーズと呼ばれている青春ミステリの第一作目。高校一年生の小鳩常悟朗と、小佐内ゆきが活躍する日常の謎がテーマの連作短編集。
本作には様々なケーキが登場しますが、全体の雰囲気もそれと同じように甘くてかわいらしいものでした。
主人公の二人にはビターな過去があるようですが、基本的には甘くて緩い。ライトノベルのような感じなので、好みはわかれるでしょうね。
内容
本書には五編が収録されています。
校内で盗まれたポシェットを探す『羊の着ぐるみ』。
美術部に残された絵の謎を推理する『For your eyes only』。
ココアの入れ方についての『おいしいココアの作り方』。
テスト中に落ちたビンについての『はらふくるるわざ』。
盗まれた自転車を追跡するうちに意外な事件が明らかになる『孤狼の心』。
それぞれの謎に関しては特に語ることがないほど平凡でした。というよりも、そもそも謎という感じがしませんでした。
日常の謎といえども、もっと不思議で魅力的な謎を期待してしまいますね。
感想
だから僕は満足できなかったけれど、この小説が好きという人も当然いると思います。
小鳩と小佐内さんのキャラクターには特徴があるし、そんな二人のやり取り、雰囲気が好きな人は気に入ると思う。
ただ、この小説を読んでミステリって面白い、もっといろんなミステリを読みたい、とはならないでしょうね。
若い人向けのライトな青春ミステリという意味では、楽しめる作品です。


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