青春ミステリシリーズ『夏期限定トロピカルパフェ事件』 米澤穂信

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感想 ★★☆☆☆

小市民シリーズの二作目となる本作は、連作短編集の各編で日常の謎を扱い、最後に大きな事件が起こるという構成。前作よりも楽しめました。

主人公の小鳩と小佐内さんの人間性がより感じられ、これからどうなっていくのか興味を惹かれます。シリーズものとして次巻を読みたくなりますね。

しかしながら、謎自体は大したことなくて驚きは感じられなかったです。

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内容

序章から終章まで計六章に別れており、その間に小鳩と小佐内さんが直接対決をしたり、謎の暗号解読に取り組んだりして、最後に誘拐事件が起きる。

誘拐されるのはなんと小佐内さんで、最後に予想外の真相が用意されています。前作では高校一年生だった二人が二年生に進学しており、本作はその夏休みの間の出来事。

互恵関係を結んでいる二人は〝小佐内スイーツセレクション夏〟と称して、市内にあるスイーツ店巡りをします。

前作同様、スイーツのように甘い雰囲気で進んで行き、このまま終わるのかと思いきや、最後に苦い結末が待っています。

連作を通しての一連の出来事に意味があって構成には工夫が凝らされていました。

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感想

最後に明かされる驚きというか、毒が本書の売りだと思うけれど、おそらくそういうことだろうと予想が付きました。

なので、心が震えるような驚きは得られませんでした。

嫌ミスという意味では、麻耶雄嵩の作品に見られるような独特な毒気ではなかったし、湊かなえや桐野夏生のようなリアリティのある嫌さでもなかったと思う。

それまでの雰囲気とのギャップで嫌ミスになっています。なので、けっこう沈んだ気持ちになります。

これからどうなっていくのか興味があるものの、主人公の二人にあまり好感をモテません。この辺は好みの問題でしょうか。

今のところは、それほど好みの青春ミステリシリーズではないですね。

コメント

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