感想 ★★☆☆☆
90年代前半に書かれた短編十作が収められています。どれも氏の得意とするホラーやミステリテイストの話で、さらっと読める反面、印象に残るものはなかった。
岡嶋一人時代を含め、井上夢人の長編には奇抜で面白いものが多いので、それらに比べると物足りないですね。
短編と言っても30ページくらいのものがほとんどで、ショートショートに近い読み味。オチにひねりを効かせているけれど、話が短い分だいたい予想がついて驚愕するほどではなかった。
それと書かれた時代を考えると仕方ないけれど、今読むとやはり古さを感じてしまいますね。
この中では『ノックを待ちながら』のリドルストーリーと、書簡形式だけの『書かれなかった手紙』が面白かった。
でも、積極的に読むほどの短編集とは思わない。
コメント