感想 ★★☆☆☆
映画やアニメにもなった『another』のスピンオフ的な作品。ホラーと本格ミステリが融合した『another』は非常に面白かったけれど、本作には正直がっかりしました。
あらすじ
家族と別荘にやってきた見崎鳴はそこで、かつて夜見山北中学に通っていた賢木晃也の幽霊と出会う。
賢木は自分が死んだ瞬間の記憶を失っており、自分の死体がどうなったのかもわからない状態。それがわかれば成仏できると思って、賢木はいろいろ調べ始める。
その時に見崎鳴と出会う。そして二人は協力して賢木の死体を探すことになる。
感想
綾辻行人は好きな作家でよく読んでいるけれど、本作はまるで新人作家が書いたようなクオリティでした。
文章は平易過ぎるし、ミステリとしての仕掛けも単調で本当にライトノベルのような感じ。わざとこういう風に書いたのだろうか。いったいどうしちゃったんだと心配になってしまった。
本作は見崎鳴が夏休みに体験した幽霊譚で、夜見山北中学の生徒たちは出てきません。
見崎鳴が出てくるというだけで、『another』とのつながりは薄く本当に番外編という感じ。なので、別作品と考えた方がいいです。
見崎鳴を登場させる必要があったのかも疑問。しかし、これを独立した一つの作品として考えると、出来があまりよくないので、読む必要があるとも思えない。何だか残念な作品でした。



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