『三つの棺』 ジョン・ディクスン・カー

感想 ★★★☆☆

古典ミステリを語る上では欠かせない作家ということで読んでみました。カーの作品を読むのは『火刑法廷』に次いで二作目。

カーは密室トリックと怪奇趣味が特徴らしいですね。

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感想

本作には密室講義という密室トリックについて系統別にまとめた個所があります。ミステリ読みの間ではとても有名な作品。

僕は今まで国内ミステリばかり読んでいて、それらの小説でもこの作品の話題が出たりするので、存在は知っていました。いったいどんな作品なのだろうと期待して読みました。

一昔前の海外ミステリを読んでいると、一人一人が続けて喋る量が多く、読みづらさを感じることが多々あります。

それが本作にも当てはまって、今一つ読むペースが上がりませんでした。退屈に感じることもしばしば。

しかし読み終わって見ると、トリックが面白くて満足感を得られました。

現代ミステリは古典ミステリのトリックを様々な形でアレンジしたものが多い。だからその原点を読んでも、残念ながら新たな驚きを感じることはできない。

これは現代ミステリから古典に入ったすべての人にいえると思います。

だからと言って楽しめないわけではなく、あの作品のトリックはこの作品のトリックのアレンジだったのか、と発見できたりもします。それはそれで楽しい。

カーの密室トリックの応用も様々な作品で使われていると思います。

 

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あとがき

本作にはちょっとご都合主義に感じる部分があったけれど、このトリックは面白いので、思いついたからには多少強引でもやらずにいられなかったでしょう。

ミステリの場合、早くしないと他の誰かにやられてしまう可能性がありますからね。

そういうことを考慮すると、多少のご都合感は気になりませんでした。読みにくさは感じたけれど、今読んでもそれなりに楽しめる作品だと思います。

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