ティーン向けミステリ『GOSICK』 桜庭一樹 

感想 ★★★☆☆

もともとはライトノベルレーベルから上梓された本作。したがって、キャラクターの性格や会話などにティーンエイジャーを意識した軽さがありました。しかし、それほど極端ではないので、硬質な文章を好む人でも問題ないでしょう。

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あらすじ

物語の舞台はヨーロッパの架空の国ソヴュール。その地にあるセレブが通う聖マルグリット学園に留学した久城一弥が主人公。久城は学園の図書館で頭脳明晰な美少女ヴィクトリカと出会う。

ある事件を解決した久城とヴィクトリカは、ひょんなことから豪華客船のディナーに行くことになった。料理に一服盛られ気を失う二人。目を覚ました時、そこは見知らぬ一室で十数人の男女と一緒だった。

最初は事態を把握できずに戸惑っていた久城とヴィクトリカだったが、ここに集められた二人以外のメンバーにはなにか秘密があることがわかる。そして遂に殺人事件が起きて、久城とヴィクトリカにも命の危険が迫るのだった。

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感想

トリックについてはミステリ初心者向けとあって幼稚なものだったけれど、全体のストーリーについては楽しめました。

十年前の事件と現代の事件が交互に語られて、予想以上にスケールの大きな結末でした。ゴシックホラーの雰囲気があってよかったと思う。

本格ミステリのような驚きはないし、ホラーのような恐怖も感じなかったけれど、二十世紀初頭のヨーロッパを舞台にした少しダークな世界観は好みでした。

漫画化やアニメ化され、言わずと知れた大人気シリーズですが、そうなったのも頷けますね。ティーン向けのミステリと考えると、これ以上ない最適な作品に仕上がっていると思います。

僕は大人になってから読んだのであれですけど、もし僕が子供の頃に刊行されその時読んでいたら、ド嵌まりしていたかもしれませんね。

読書はやはり読む年齢によっていろいろ左右される部分があるので、もし今10代以下なら読まない手はないです。その年齢でこの作品を読めるのは今しかないですからね。

周りに読書好きの子供がいればお勧めするのもいいと思います。ミステリ系が好きならきっと大好きなシリーズになるでしょう。

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