『覆面作家の愛の歌』 北村薫  

感想 ★★★☆☆

覆面作家シリーズの第二弾。今回も三つの事件が収められています。前作と比べてミステリ色が強かったです。

特に表題作の『覆面作家の愛の歌』はガチガチの本格物。 シェークスピアが題材の本格ミステリで、北村薫らしさが発揮された作品でした。

ページ数も中編くらいの長さがあり、読み応えもあります。なので『覆面作家の愛の歌』の感想を書こうと思います。

自宅で殺害された劇団の看板女優、河合由季。容疑者として彼女の婚約者と劇団の主宰者が浮かんだが、二人には鉄壁のアリバイがあった。

覆面作家のご令嬢、新妻千秋と雑誌編集者の岡部良介がそのアリバイ崩しに挑む。

犯人は頭脳的な人物で、天才vs天才という雰囲気がありました。 トリックに関しては、理解するのに少し時間がかかったものの、うまく作られていました。

今までの事件では主人公たちにピンチが訪れることはなかったですが、今回はいつも通りにはいきません。そういう意味では、ほのぼのとした他の作品とは毛色が異なります。

ミステリとしてもキャラクター小説としても楽しめる良質な短編集でした。 
 

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