感想 ★★★★☆
名探偵ポアロが活躍するシリーズ作の一つ。A、B、Cそれぞれの頭文字をもつ人物が、A、B、Cの頭文字をもつ都市で殺害されていく。
一見すると被害者には何の繋がりもないように見えます。その隠れた繋がりを見つけるミッシング・リンクもの。
なぜこのような事件を犯したのか、犯人とはいったい何者なのかをポアロが推理する。
あらすじ
名探偵ポアロの元に殺害予告の手紙が届く。ポアロはその手紙を警察に見せに行くが、ただのいたずらだろうと一笑にふされる。
だが、事件は予告通り起きてしまう。その後も殺人予告がポアロの元に送られてきて、ABCの順番通りに殺人が行われていく。
三つも事件が起こったのに、ポアロも警察も犯人の目星がつけられない。そしてついに、Dの殺人予告が届けられる。
感想
終盤までは本格ミステリというより、警察小説や社会派ミステリのようでした。
警察の捜査力によって徐々に犯人に迫って行く感じで、犯人側の視点も間に挟まれています。
読み終わってみると、本作はまぎれもなく本格ミステリでした。
ちゃんと論理的な推理によってすべての謎が明らかにされます。
真相には意外性があって、尚且つ、理にかなっていました。
フィナーレではほっこりするようなエピソードもあって読後感もいい。
今読んでも色褪せない面白い作品。名作と呼ばれるだけのことはあります。



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