感想 ★★☆☆☆
国名シリーズの中で一、二を争うほど評価の高い作品。『ギリシャ棺の謎』という題名が一般的。
新訳の角川文庫版『ギリシャ棺の秘密』が、読み易くて適切な翻訳らしいのでこれを選びました。
文庫で600ページ近くある本作。読み終わってまず思ったのは、やたら長かったということ。
ここまで長くせずもうちょっと少なくすることもできたんじゃないかと思いました。
あらすじ
大富豪のハルキスが病気で亡くなった。葬儀が終わり遺体を収めた棺を埋葬したのだが、彼の遺言状がどこかに消えてしまった。
棺の中にある疑いが濃厚になって、再び棺を開けることになった。すると、そこには見知らぬ死体がハルキスの死体と一緒に収められていた。
この不可解な謎を解明するべく、捜査を開始する警察とエラリー親子。
調べを進めるうちに、事件はただの殺人事件ではなく、レオナルド・ダヴィンチの幻の名画が絡む大掛かりのものだと判明する。
抜群の推理力で事件の解明を試みる若き日のエラリー。自信を持って披露した推理は見事に外れてしまう。はたして彼は狡知な犯人の正体を見破ることができるのか。
感想
エラリー・クイーンの作品は僕には合わないかもと思いました。
論理的過ぎるというか、一人一人順番に事情を聴いていって、その会話のやり取りが主となるので、動きが少なくて退屈に感じてしまった。
途中でエラリーの予想がはずれたり、第二の殺人が起きたりと、変化はあるんだけれども、基本的にはゆったりと進行して展開は遅い。
それが600ページ続くのでちょっと疲れてしまいました。
有名な読者への挑戦が挿入されていて、おそらくあの人物が犯人だろうと当たりをつけて読み進めたのですが、見事にはずれた。
予想外の犯人でこれには驚きました。
可能性を一つ一つ丁寧に潰していくので、推理小説としてフェアな作品なんだろうと思う。
犯人は意外な人物で面白い作品だったのは間違いないけれど、ストーリーの進め方は好みではなかったです。
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