今回ご紹介するのは、2012年にフジテレビ〝ノイタミナ〟枠で放送された『PSYCHO-PASS サイコパス』の一期です。
アニメ好きの方には紹介する必要がないほど有名な作品。放送開始されるやいなや、瞬く間に人気を集め、現在までにシリーズ三作、そして映画化もされるほどの大ヒットコンテンツとなりました。
この作品は普段アニメを見ない人にもおすすめです。アニメだからといって見ていない人は損してますよ。それほど内容が面白い。
〝ドミネーター〟という特殊な銃はありますが、人間の能力は普通でリアリティのあるドラマに仕上がっています。
特にミステリーやサスペンスが好きな人におすすめ。例えば映画の『セブン』とか、『羊たちの沈黙』とか、そういうダークな作品、猟奇的な作品が好きな人はきっとハマるでしょう。僕もその口です。
フィリップ・k・ディックみたいなSFが好きな人も楽しめると思います。SF×猟奇事件なので、何となく海外ミステリの雰囲気を感じます。
ただ反対に、ホラーやグロが苦手な人にはおすすめしません。結構きつい描写もあるので。現実世界で猟奇殺人事件が起きた際に、本作の影響じゃないかという話が出て、放送が見送られたこともありましたね(確か再放送の時だったかな)。
物語の内容と設定
物語の主人公は常森朱という新任の監視官。彼女が執行官と呼ばれる仲間たちと共に凶悪事件に挑んでいきます。
基本的には警察ものと思ってもらって間違いありません。事件の解決を通して仲間たちとの絆が深まったり、あるいは警察内部の軋轢があったりと、そんな具合で物語が進んで行きます。
そういう王道の警察もののスタイルに、様々な特殊設定が加味されているが『PSYCHO-PASS サイコパス』の特徴。物語の舞台は近未来の日本で鎖国中。
犯罪は〝犯罪係数〟という数値を基準にしており、罪を犯していなくても、この数値が高ければ処罰されます。数値が高い人間はいずれ事件を起こすに決まっているから、その前に処分するという考え方。
このシステムのことを〝シビュラシステム〟と呼んでいます。犯罪係数やシビュラシステムについては見てみないと、なかなか理解しづらいかもしれません。
警察もの、犯罪ものとして
各話で起きる事件の中には、猟奇事件好きを満足させてくれるエピソードがいろいろあります(もちろん創作物として好きという意味)。
遺体をオブジェにする少女や、人間狩りを趣味とする体がサイボーグの老人とか、他ではなかなかお目にかかれない犯罪者も登場します。
そういう異常な事件を解決しながら、物語全体を通した巨大な敵、謎、陰謀に迫っていきます。最後の最後まで飽きずに楽しめますし、尻すぼみにもなっていません。
個々の事件も、そしてシリーズ全体を通してみても、良く出来たストーリーです。
キャラクターが魅力的
そして忘れてはならないのが、キャラクター。魅力的な世界観に加え、各キャラが立っているのでカルト的な人気になりました。全員紹介していると長くなりすぎるので、ここでは何人かにとどめておきます。

主人公の常森朱は、新米刑事の王道といえるかもしません。正義感が強く、それでいて甘いところもあって、挫折を経験しながら成長していきます。
そんな朱とタッグを組むのが執行官の狡噛慎也。クールで刑事としての能力が高いイケメン。過去に部下を殺されたトラウマがあり、その犯人に復習を誓っています。
その狡噛が追っているのが槙島聖護。まさにサイコパスといった感じで、ラスボスにふさわしいキャラ。頭脳明晰で身体能力が高く、読書家で知性と教養も兼ね備えています。彼が裏から手引きして様々な犯罪の手助けをしています。
大ヒット映画『羊たちの沈黙』シリーズのレクター博士などを見ても明らかなように、ラスボスに魅力があるかどうかで、この手の作品の印象は全然変わってきます。槙島は問題なく魅力的なキャラクターでした。
常森と狡噛の関係性も巧みです。常森は明らかに惹かれていくけれど、狡噛が何を考えているかわからない。これが物語を引っ張っていく上での、原動力の一つなっています。
本作は2クール、22話と長いですからね。読者の関心を繋ぎ止めておく要素は、出来るだけ多い方がいい。
あとがき
気付いてみれば今年ももう終わりですね。一年が経つのは本当に早い。日付の関係で今年は正月休みが長い人も多いんじゃないでしょうか。大型連休で何を見ようか迷ってる方、おすすめですよ。
尚、二期と三期は少しテイストが違います。主要キャラが大幅に変わるんですよね。二期はまだ『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界観ですが、三期は別物ですね。





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