感想 ★★☆☆☆
累計発行部数9000万部を突破している大ヒット漫画、金田一少年の事件簿の小説版。ただ単に漫画をノベライズしたのではなく、オリジナルのストーリーとなっています。
小説版は八巻上梓されていて、累計で500万部を突破しているというから驚きです。
小説は漫画と違ってそれほど売れる媒体ではない。二十万部も売れれば大ヒットといっていいでしょう。にもかかわらず、これほど売れているのだから、金田一少年の人気の高さが窺えます。
本作は漫画の最初のエピソードである『オペラ座館殺人事件』の続編にあたる。
再びオペラ座館に訪れた金田一と美雪と剣持警部がまたもや事件に遭遇します。
あらすじ
絶海の孤島にあるオペラ座館に集まった劇団員が、次々とファントムに殺されていく。その殺害方法は彼らが演じる予定の『オペラ座の怪人』になぞらえられていた。
カルロッタ役の能条聖子はシャンデリアの下敷きになり、フィリップ伯爵役の緑川由紀夫は貯水槽に沈められる。
不可能に思えるこれらの事件の謎を金田一少年が解き明かす。
感想
本格ミステリの王道のような設定でした。嵐が来て外部との連絡が取れなくなった孤島。 見立て殺人。密室殺人。
漫画からミステリに入った人達に、小説の面白さを体感してもらうために企画されたらしいので、これは最適な小説です。
したがって、ミステリ小説を読み慣れている人が読んでも面白いとは感じないでしょう。犯人、トリック、動機がすべて予想した通りで驚きは感じられなかったです。
金田一少年シリーズの特徴でもある胸糞の悪くなる動機は健在なので、ストーリーにドラマ性はありました。でも、それも定番ともいえるものなので新鮮味は感じません。
本格ミステリを読みたくて選ぶのはちょっと違うかなあと思います。あくまで金田一少年ファンのためのものというか。
金田一少年が好きな人には間違いなくおすすめです。
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