『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』 キャラの鼻の位置について

ジブリの教科書シリーズの5冊目は魔女の宅急便。構成はこれまでと同じで様々な人物が作品について語っています。パート1では宮崎駿監督やプロデューサーの鈴木俊夫などが、パート2では制作現場のスタッフが、パート3では女優や作家など幅広いジャンルの人たちが作品についての思いを語っています。


そしてイラストも豊富に掲載されている。作中カットの他、キキの初期設定のイメージボードなんかもあり、金髪だったりロングだったりと、今とはイメージの異なる姿を見られて面白い。ジブリのヒロインはトイレにも行かないと揶揄されていたからか、キキがトイレに座って物思いにふけるポスター案もあったらしい。鉛筆によるそのラフスケッチも小さく掲載されている。


監督やプロデューサーの語る制作秘話がやはり面白いです。もともと電通が持って来た企画だったとか、最初は宮崎駿ではなく若手監督にやらせるつもりだったとか、へえと思うことがいろいろあるので、ファンの人は楽しめるでしょう。


それと本書には主題歌を担当した松任谷由美のことも書かれていて、僕はこの人のことを何も知らなかったので興味深かった(もちろん曲を聞いたことはあります)。老舗呉服店の生まれで思春期は遊び回っていたとか、17歳で作曲家でデビューしたとか、やはり天才と呼ばれる人は小さい時にその下地が作られているものなんですね。ちなみに、主題歌の『しあわせに包まれたなら』は松任谷由美の養育係との思い出がモチーフになっているとのこと。


今回で一番興味を惹かれたのは、原画を担当した人がキキは鼻を描くのが難しいと語っていたこと。「鼻を置く位置によって随分印象が変わる、キキの鼻は意外と上に合って目と目の間くらいにある」と語っていて、意識して見てみると確かにその通り。なるほどなあと思わされた。でも調べてみると『トトロ』のサツキやメイも『ラピュタ』のシータも上にあって、これが宮崎駿作品の特徴なんじゃないか思えてきた。メイに至っては目とほぼ同列で吹き出しそうになった。

面白くなってジブリ系意外も調べてみると、細田守作品はわりと下の方についていて、新海誠作品は真ん中という感じだった。萌え系アニメだと下の場合が多いですかね。そもそも目が大きくて口との間が狭いので分かりづらかった。漫画では『ワンピース』は上気味で『NARUTO』は下気味のように感じた。
 

この話を聞くまで鼻の位置なんてまったく意識していなかったので、新たな発見をした思いだった。別の角度からの見方を与えてくれたことに感謝。

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