ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ


宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』を解説した本。ジブリの中でも本作が一番好きという人は多いのではないだろうか。僕が初めて見たのは確か小学校低学年の頃で、夢中になったことをよく憶えています。本書は三つのパートに別れていて、制作関係者から小説家まで様々な人がラピュタについて語っている。


パート1 映画『天空の城ラピュタ』誕生
鈴木俊夫、宮崎駿、高畑勲の三人が制作秘話を明かしている。スタジオジブリ設立までの経緯や、どんな思いでこの作品を企画したのかなど、本人たちの口から聞けるので興味深く読むことができます。

パート2 大冒険活劇! ラピュタの現場
ここでは監督、音楽、原画それぞれの立場の人が当時の苦労話を語っています。そしてアフレコの様子が、密着レポという形で詳細に記されている。

パート3 作品の背景を読み解く
いろんな人がラピュタについてのエッセイを書いている。石田衣良、荒俣宏、湯本香樹実、上橋菜穂子、夢枕獏の小説家から、芸術家のヤノベケンジ、東大教授の山本史郎、理学博士の加藤碵一、漫画原作者の大塚英志、宮崎駿の弟宮崎至朗と幅広い面々。

本書を読めば間違いなく作品に詳しくなりますから、ラピュタが好きな人は手にとって損はないと思う。僕が本書を読んでよかったと思ったのは、空中海賊のボス・ドーラが監督の母親を投影したキャラということと、一家は多国籍で構成されていてその中には日本人もいた、という二つが知れたこと。


小説家たちのエッセイから得られるものは特になかったけれど、監督の弟の話は大変おもしろかったです。そこでは宮崎家がどういう家族だったか書かれています。宮崎駿が思春期の頃、母親が寝たきりだったこと、一番上の兄が番長だったこと、兄弟で喧嘩が多かったことなど、知らないことが多々あった。

その他にも、クロッキーやデッサンを徹底的にやっていた、児童文学研究会というサークルで人間の心について考察していた等、学生時代の様子から好きな食べ物についてまで触れられていて、興味深い内容でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました