感想 ★★☆☆☆
前作『アリス殺し』の続編にあたる作品。ああいう終わり方をしたので、それっきりの作品だと思っていたのですが、おそらく前作が好評だったのでしょうね。
時間的には地球でアリスと出会う前ということになりますかね。今回は不思議の国ではなく、ホフマン宇宙なる場所が舞台。
あらすじ
彼女は何者かに命を狙われており、すったもんだの末、ビルがその何者かを探し出す役目を担う。
そして驚くべきことに、この世界の住人たちも地球にもう一つの人格である、アーヴァタールがいるのだった。かくしてビルと地球での人格である井森は調査を開始する。
シリーズの設定
前作同様、地球とホフマン宇宙が交互に語られる構成。
本作から読んでも問題ないですが、登場人物が多いし話も入り組んでいるので、前作を呼んでアーヴァタールの概念を知っておいた方が良いかもしれません。まあ、アバターみたいなもんです。
ホフマン宇宙はその名の通りホフマンの作品群がモチーフになっているようです。僕は読んだことがないので、元ネタを楽しむ読み方はできなかった。
この世界の特徴として、地球でアーヴァタールが死んでも本体に影響はないが、ホフマン宇宙で本体が死んだらアーヴァタールも死にます。
地球のくららは死んでしまうのだが、ホフマン宇宙では行方不明になっているため、生死が確認できない。
つまりアーヴァタールが死んだのが偶然なのか、それとも本体が死んだことによるリンクなのか判断できないわけです。
そしてもし仮に死んでいるのなら、いつ死んだのかが重要なポイントとなる。
おそらくこう言われても何が何だかわからないと思います。僕も的確に説明できません。
感想
ジャンルとしてはアリバイ崩しになるでしょうか。ちなみに地球の井森は何度も殺されて、それがコメディチックな面白味を与えています。
トリックについてはあまり満足感を得られませんでした。そもそも登場人物の中に、神の如く人々の記憶を改竄できるキャラがいて、その能力ありきだったりするんでうーんと思う部分がありました。
トリック自体に新奇性があるわけでもないです。それと本作には他の作品のキャラも登場します。いわゆるクロスオーバーというやつですが、本作のような特殊な世界になぜそれを持ち込んだのかも疑問でした。
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