
感想 ★★★☆☆
人気ホラー作家・背筋の短編ホラー作品。まず驚いたのは本のサイズです。ビックリするくらい小さい。まさに手のひらサイズ。
さてはこの大きさに何か仕掛けがあるなと、期待して読んだので何もなくて残念だった。特に意味はなくただ単純に小さいだけ。
本の小ささに比べて文字サイズは普通。それでいて60ページほどしかないから、ほんとにあっという間に読めてしまいます。
おそらくこの文字数でも販売できるように本のサイズ自体を小さくしたのでしょう。
話自体はオチが効いてて面白かったです。
あらすじ
男女の仲良しグループがネットで噂の心霊スポットへ肝試しへ行く。とある霊園に呪われた木があるというのだ。
若者にありがちなノリで彼らは1人ずつ木に向かうことになった。何も起きず順調に終わると思っていた。
だが、予想外の事態が次々におき、彼らは浅はかな自分たちの行動を激しく後悔するのだった。
感想
物語は各登場人物の独白という形で語られていきます。肝試し中に何が起きたのか、視点が変わるごとに見え方が変わって面白い。
ホラーですが手法としてはミステリっぽくもありますね。ラストも含め、話の構成がよく練られていて最後まで楽しめました。
ホラーらしい描写もあって恐怖も感じられるし、良く出来た作品ですね。
まず、こういう設定の話が好きな人は多いと思います。若者のノリで肝試しに行って怖い目に遭う、これはホラーや怖い話では定番の設定。
それに一筋縄ではいかないギミックを加えてあって、独自性のあるものに仕上がっています。
若者たちが肝試しにいきました、お化けを見ました、パニックに陥りました――ではどこにでもある普通の怖い話になってしまう。
ところが語り口やアプローチの仕方を工夫することによって、まだまだ如何様にもできると教えられた気分です。
デビュー以来立て続けにヒット作を出しているだけあって、着眼点や発想がすごい。ここが著者の凄いところですね。これからもホラー界を牽引して行くのは間違いないでしょう。
さて、ホラーというジャンルにおいては、ミステリと違い考察の余地を残すのが重要です。特にこのネット時代においては、ヒットを生むためにより重要度が増したと思う。
ネットで議論されることでどんどん口コミが広がっていく。本書もその要件を満たしていて様々な場所で考察されてますね。
戦略的にそういう作品を書いてるのは間違いないし、これからも話題作を生み出すでしょうね。次はどんな恐怖、やり方を見せてくれるのか楽しみですね。
あとがき
本書は普段あまり本を読まない人にもおすすめです。本当に短いのであっという間に読めてしまいます。個人的にはこれで1冊はさすがにちょっと短すぎると感じましたが。
でも、タイパが話題なる世の中なので、サクッと読めるのは重要なのでしょう。そう考えるとこの分量で販売したのも正解かもしれない。
従来なら短編集に収められて、これほど多くの人の目に触れることはなかったかもしれないから。


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